日中韓それぞれ漢方の歴史

時間:2012-10-22

中国を起源とする「漢方薬」だが、日本、韓国でもそれぞれ独自に発展した。

同じ薬でも、使われる生薬の種類や量が異なるものもあり、呼び方も中国では「中薬」、韓国では「韓薬」となる。いずれも西洋医学の到来や国策に翻弄され、一時的に衰退した後、復活した。

 

中国では、紀元前から生薬を用いた病気の治療が行われ、約1800年前に張仲景という中医師が診断と治療法をまとめた「傷寒雑病論」が有名。ツムラの葛根湯は、これに書かれた生薬の配合比率を今も守っている。

アヘン戦争後、西洋医学の伝来とともに中医学は衰退していくが、第2次世界大戦後に共産党政権のもとで復興が進められた。「中医」の国家資格もある。

 

韓国でも中国の影響を受けながら、独自に発展した。

ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」でも描かれた医女制度は、15世紀ごろに始まったとされる。ただ、日本の植民地支配時代に韓医学は廃れていった。戦後に韓医学専門の医師制度が始まり、1960年代から韓医科大学の設置が拡大。86年には医療法改正で「漢方」「漢医学」は「韓方」「韓医学」に名称が変えられた。

 

日本には、朝鮮半島を経由し5~6世紀に伝えられ、鎖国政策を取った江戸時代に独自の発展を遂げた。しかし明治時代に「医師免許は西洋医学のみ認める」とする国の政策により衰退。

戦後も「漢医師」は復活しなかった。ただ、相次ぐ薬害被害などをきっかけに、1976年に初めて漢方が公的医療保険で認められた。以来、西洋医師が漢方薬を処方する例が増えている。

                                                                                                                                                               朝日新聞より転載