自然災害後の疫病対策---中医が疫病に対する予防治療方法

時間:2011-04-11


生産力が急速に発展するため、人類社会はますます繁栄になり、物質財産と精神財産が豊かになる。しかし、自然災害は人間を遠く離れなく、逆にその規模がますます大きくなり、種類が多くなり、回数が頻繁になり、引き起こした損害もますますひどくなる。

すべての自然災害の中で、地震災害が一番ひどいである。地震災害は他の災害と違い、現代技術で予測できなく、短期間のうちに巨大な破壊性があるため、毎回の大きな地震災害の発生は被災者の身体と心に大きなダメージを与える。



自然災害が発生した後、負傷者を救援することは最も大事なことだけど、被災者の疾病控制もかなり大切である。

「大災害の後に必ず疫病が出る」とは、地震で人の死傷をもたらし、死体は廃墟により覆い隠して埋めため、即時に処理されず、腐乱を発生しやすく、大 量の病原菌が出る。腐乱した死体から出た病原菌の感染性は非常に強くて人に感染しやすい。その上、地震で給水、医療方面の困難をもたらし、疫病の即時で有 効に控制することに不利で、しかも地震の中で傷者も非常に多く、たくさんの人は十分に休息が得られなく、体の抵抗力が下がり、疫病が侵しやすい。



地震の後、清潔な飲用水と食料品の供給が影響され、同時に周辺の生態環境なども破壊され、もし油断すれば、下記の伝染病の流行をきわめて容易に引き起こす:

第1種類は腸の伝染病、主に口腔より伝播される病気である。これらの疾病は汚染された水、食品などを飲み食べるため招き、たとえば赤痢、手口足病、A型肝炎など。

第2種類は呼吸器の伝染病である。地震の後、人が集まる程度は高く、流動性が大きく、互いに接触が頻繁になり、麻疹、風疹と風邪などの上部呼吸器の感染疾病を招きやすい。

第3種類は急性出血性結膜炎で、俗称は「ねたみ病」である。地震の後、人と人の接触が頻繁になり、同時に、地震のため、元の生活規則は混乱させられる。特にある被災者は飲用水を節約するため、いくつかの人が顔を洗う水やタオルなどを共用し、ねたみ病の爆発を誘発しやすい。

これらの強烈な伝染性を持ち、そして大流行を引き起こす疾病は疫病と称される。病気になる邪気の性質と臨床表現の特徴によって温疫、寒疫、湿疫、燥疫などに分ける


明・清の時代に、中国古代の医学家は疫病に対して深く系統的な認識と豊富な予防治療処置を持っていた。明末、中医学者の呉有性はその時の疫病の流行 死亡の悲惨な光景を目に当たり、自分の臨床観察と心得に基づき、実践経験を総括する上に疫病が主に「口と鼻から入る」あるいは互いに接触してから起こし、 その性質は非常に強烈であることを認識した。発病特徴により隔離消毒などの防疫措置を行うべきであり、治療は清瘟敗毒を主とする。

その後、葉天士、薛生白、呉鞠通、王孟英などの名家が輩出し、彼らは麻疹などの疫病が呼吸器伝染から引き起こすのを認識するだけではなく、コレラ、 赤痢などが食物不潔または食物腐敗より起こし、皮膚の伝染病が「虫毒」、「風邪」に接触感染より起こすことをも発見し、さらに、体質が伝染病の予防に対す る重要性を提出した。


中医薬は整体観念と弁証論治を重視し、人体の五臓、六腑、気、血、津液、生理、病理、および人と自然を統一し、治療中に体の陰陽と気血の調和、および人体自身の免疫力、病気への抵抗力を高めて強めることを重視する。

今、中医が疫病に対する予防治療の特徴と方法を次の通りに述べる:

一、中医が疫病に対する予防治療の特徴:

1.変化を防ぐことを重視する

病気になる前に有効な措置で疾病の発生を予防し、病気になったら、直ちに有効な措置で病気の発展、伝変、再発を予防・治療する。これも中医の独特な特徴である。

2.総合予防を強調する

中医学は人を生物体として予防を行うだけではなく、さらに人を自然の人、社会の人として生理上、病理上、心理上、および社会適応力などの多方面に総 合予防を行い、病気の発展、再発を予防・治療する。例えば、ある内科雑病の発生や再発を予防治療するため、いつも患者が楽観的な気分で心地良く過ごすこ と、飲食忌宜の注意、運動をすること、働くと休息のバランスを取ることなどを指導する。全体から予防を行うことも中医の優勢と特色である。

3.薬が豊富である 

医者、薬の不足は被災地の最も重要な問題の一つであり、西洋医だけに頼って病気を予防・治療するのは人々の実際需要をはるかに満足させられない。中 薬の多くは植物と鉱物で、田舎、山岳地帯によくあり、病気を防ぐために用いるならば、容易に手に入れ、しかも使い切れなく、制作が便利で、価格が安く、だ から中薬で病気を防ぐのはもっと被災地の情況に合う。

4.方法が簡単である

薬物炮制が比較的に簡単以外、病気の予防治療方法、養生の基本的な措置なども比較的に簡便で、行いやすく、大衆に掌握させやすい。しかも中医が疾病の予防方法は豊富多彩で、それぞれの特色を持ち、興味性もかなりある。

5.副作用が小さい

トレーニングを展開すること、また中薬の予防治療は、すべて副作用が小さく、あるいはほとんど副作用がない特徴を持ち、大衆に受けさせやすい。

6.効果が非常に良い

たとえば気功、太極拳、各種の保健体操のフィットネス、病気を防ぐ効果がすでに世界医薬界に公認され、中薬と鍼灸などは伝染病に対する予防、治療の効果もかなり良く、ある慢性疾病の発生、発展の防ぐことももっと多くの患者に助かる。

二、中医が疫病に対する予防の常用方法:

1.薬物予防

《千金要方》に載せられた辟温殺鬼丸、雄黄丸を燃えても、身につけて飲み込んでもできて、邪毒を避け、即時にひどい疫病を防ぐ効果がある。張仲景は 「福建茶餅」を使って口腔消毒を行い、病気が口より入ることを防ぐことを提出した。李時珍はニンニクをよく食べることで疫痢、コレラなどを予防することを 提出した。薬物の外用での予防方法もたくさんあり、「辟温粉身散」を全身の皮膚上に、または雄黄酒を体表に塗って予防を行うのも良い効果がある。

2.隔離予防

清代の陳耕道は「疫痧草」の中に隔離の重要性を強調した。清代の熊立品は「治疫全書」の中も、疫病が流行した時、病気にかかる人を見舞わなく、病人の家の食物を食べなく、病気で亡くなった人の衣服と身の回り品を持たないことを警告した。

3.空気消毒

「本草綱目」などの本の中に疫病が流行した時、家屋の中で蒼朮、艾葉、白芷、丁香、硫黄などを焼き払い、空気消毒を行って汚れたものを避ける方法を多くのところに記載した。この方法は今までもずっと用いられる。

4.蒸して煮て消毒

患者が接触した衣服や布団など、蒸篭の中に蒸し、あるいはお湯で煮沸して消毒を行う。

5.虫害を消滅する

積極的に虫害を消滅し、伝播媒介を断ち切ることができ、疾病の流行を防止する。

6.消毒を改善する

井戸の水を澄んで濾過し、消毒および蓋をして保護することを行う。飲用水の消毒は、貫衆1枚と少量の明礬を水に浸かればよい。


中医は疫病に対する即時で有効な予防の重要性を認識するだけではなく、すでに病気になった人でも、発病過程中に、邪気を受けないところを先に安定さ せ、病邪が深くまで発展、伝変を阻止することも強調する。これらの方法と措置は今でも非常に重要な意味があり、現在も伝染病を予防する有効な方法である。

疫病の予防は社会、生活、心理、衛生習慣、道徳などの多方面の素因に係わる。正気が十分であり、養生の道を重視するほど、機体の健康を保つ:①働く と休息のバランスを取れ、常に生活法則に準じて日常生活を行い、よく運動して体質を高める。②飲食は節度があり、合理的な飲食が肝心である。③きちんと精 神を体内に守り、気持ちを楽観にし、恐怖、焦慮の気分を取り除き、心を落ち着く穏やかになるなどのは健康長寿の肝心である。

必要な薬物予防も注意する必要がある。生まれつきの不足あるいは生まれた後の失養または疾病の損耗のため、人体の正気の虚弱を招き、それに地震の後、被災地の生活情況が厳しく、人体が疾病を発生しやすい。だから病気になる前に早めの予防をしっかりすべきである。

体質が虚弱、顔色がこう白、脈が虚浮、風邪に引きやすい者は益気固表作用がある玉屏風散で予防を行う。女性は特殊的な生理特徴で血虚を引き起こしや すく、顔色が地味で、形体がやせてびくびくして力がなく、心悸失眠、頭暈目眩者は補血和血作用がある四物湯で予防を行う。脾胃が虚弱で、常に飲食不化、胸 脘痞悶、脈虚浮、下痢しやすい者は、健脾益気作用がある参苓白朮散で予防を行う。地震の後に大雪が突然にやってくると、寒邪が急に人体に侵襲し、風邪、傷 寒などの病症をきわめて容易に引き起こし、生姜紅糖湯で予防を行う。


いったん疫病が発生したら、続々と感染者が現れても、その毒を避ける基礎の上に薬物治療を考慮すべきである。しかし、すべての人が同一の処方を選択 して使用することではない。中医理論と歴代の中医名家の経験に基づき、各人の体質の偏りによって弁証して薬を使い、陰虚者に滋陰、陽虚者に扶陽、気虚者に 補気、血虚者に養血、偏寒者に温め、偏熱者に清熱、偏湿者に淡滲分泄、肝心なのは体内の気血、陰陽、寒熱を調節して内環境の相対的な平衡を達成すること、 そして内環境と外環境の協調一致を維持すれば、治療の目的に達することができる。